FPに記事監修を依頼するには?必要性/メリット/相場などをプロが解説!

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こんにちは。トージンFP事務所代表の齊藤颯人(@tojin_0115)です。

お金や家計のプロといえる「ファイナンシャル・プランナー(FP)」。近年はマネー情報の需要拡大やマネー教育の推進により、注目される機会が増えているように感じます。

そんなFPに依頼できる仕事のひとつに、家計や資産運用などのマネーに関する「記事監修」があります。筆者はライター・編集者としてメディア運営にも携わっていますが、FPに限らず専門家への記事監修需要は非常に高まっています。

しかし、なぜ近年になって記事監修の需要は高まっているのでしょうか。今回は、FPによる記事監修の必要性やメリット、相場などを解説していきます。

FPの記事監修はなぜ必要か

記事監修とは、一般的に「別の誰かが書いた記事を、専門家がチェックしてお墨付きを与えること」といえます。FPは「家計」「資産運用」「保険」などお金関係の専門家なので、FPに記事監修を頼む場合はお金関係の記事を監修してもらうことになるでしょう。

しかし、FPに記事監修を依頼するに場合、もとになる記事は自分たちで制作しなければなりません。FPに記事監修を依頼するには費用もかかってくるので、「記事を書いてくれるわけでもないのに、なんでFPに監修をお願いする必要があるの?」と思われる方もいるかもしれません。

そこで、まずはFPの記事監修が必要な理由を解説します。

理由1. SEO環境の変化

かつては、極めて内容が薄かったり、デマを含む可能性があったりする記事でも、SEO対策に力を入れれば上位に表示され、広告収入を得られた時代がありました。

しかし、こうした大量に供給されるようになると、医療や健康、お金といった生活に密接にかかわる分野でも、誤情報やデマを含むこたつ記事が増えるようになりました。

そして2016年、当時DeNAが運営していた医療キュレーションサイト「WELQ」に誤情報やデマを含む記事が大量に投稿されていたことが社会問題となり、同メディアは閉鎖。SEO記事に厳しい目が注がれました。

Googleもこうした問題の改善に乗り出し、記事を評価するアルゴリズムを調整。「E-A-T」「YMYL」という2つの指標が重視されるようになり、専門家や権威のある発信元以外から発信される情報は検索上位から一気に姿を消しました。

※E-A-T

Expertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)の頭文字をとったGoogleの評価軸。専門性があり、権威があり、信頼できる発信者の情報が上位に表示されるようになった

※YMYL

「Your Money Your Life」の略語。読者の命やお金に影響を与えるコンテンツを指し、こうした領域ではほかのコンテンツよりもE-A-Tが厳しく重視されるようになった。

こうした対策から、専門家以外が執筆したお金関係の記事が上位に表示されることは難しくなりました。

しかし、たとえ素人が書いた記事でも、そこに専門家の監修が入れば話は別です。専門家が監修し、正確な情報が記された記事は上位表示される傾向が生まれ、FPへの記事監修が増加していったのです。

理由2. SNSなどでの「炎上対策」

上記の理由と重なる部分もありますが、Googleだけでなく読者の「SEO記事を見る目」もますます厳しくなっています。

不正確な情報やデマが含まれた記事はもちろん、違法行為を堂々と勧めるような記事もたびたびSNSなどで炎上し、記事の修正や削除に追い込まれる例はあとを絶ちません。

しかし、記事の修正だけで済めばまだ可愛いほう。最悪の場合、メディアの閉鎖や会社の評判下落による損失、訴訟沙汰への発展なども考えられます。記事の炎上は、いまや明確な事業リスクとなっているのです。

この対策として、FPへの監修依頼が増加していると考えられます。FPはお金の専門家であり、記事内の情報を専門家の目線から判断することが可能です。また、読者目線でも「FP監修!」と書かれた記事には安心感を抱けるでしょう。

FPに記事監修を依頼するメリット

上記でもFPによる記事監修の必要性はご理解いただけたと思いますが、ここで改めてFPに記事監修を依頼するメリットを整理します。具体的なメリットは、以下の通りです。

  • コストを抑えてSEO対策ができる
  • FPを確保しやすい
  • 記事の品質向上が見込める
  • 読者へのアピールになる

一方、「わざわざ記事をFPに監修してもらわなくても、新規記事をFPライターに書いてもらえばいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。

確かに、そもそも最初からFPライターに記事を書いてもらうのも有効です。記事を書く際はそもそも「執筆依頼コスト」がかかっているわけで、監修を依頼すれば金銭的・時間的コストがよけいに発生します。

しかし、じつはFPライターへの記事発注は難易度が高めです。

まず、有資格者にライターをお願いする必要がある都合上、書けるライターが限られます。FPのなかには記事執筆を行わない人も多く、ライター探しのハードルが高くなります。

そして、有資格者のため原稿料も相場より高くなり、実力があるFPになればなるほど物理的な執筆スケジュールを確保してもらうのが難しくなってしまうでしょう。反対に、監修であれば執筆よりも手間や時間をとられないので、良いFPに低価格で監修をお願いできるのがメリット。

また、SEO環境が変わる以前の記事に監修を入れて順位アップをねらう施策も多く、限られた記事制作リソースの有効活用という点でも記事監修は魅力的です。

FPに記事監修を依頼するデメリット

FPによる記事監修はメリットも多いですが、もちろんデメリットもあります。FPの筆者が考えるデメリットは以下の通り。

  • FPの見極めが難しい
  • 費用がかかる
  • 連絡や編集コストがかかる
  • 記事がめちゃくちゃになる可能性がある

そもそも、素人が「良いFP」と「悪いFP」を見極めるのは難しいです。FPは弁護士や税理士に比べて人数が多いので、そのぶん当たり外れの振れ幅も大きいと考えていいでしょう。また、FPライターに頼むよりは安いとはいえ、発注費用がかかるのも事実。連絡などのコミュニケーションも必要です。

ただ、筆者が考える最大のデメリットは、4つ目の「記事がめちゃくちゃになる可能性がある」ではないかと考えています。「記事の中身を監修してもらうだけなのに、どうして……?」と思われるかもしれません。しかし、実際は「監修のピントがズレている」場合が非常に多いです。

具体例を出しましょう。たとえば、以下の文章をFPに送り、監修をお願いしたとします。

つみたてNISAは、長期的な資産形成に向いている制度です。25年の期間、年間120万円まで投資でき、その間の運用益が全額非課税となります。

いままで「資産運用はちょっとハードルが高いな……」と思っていたサラリーマンの方でも、気軽に資産運用にチャレンジできます。

ここで編集者の皆さんが期待するのは、前半にある「25年」「120万円」「非課税」といった専門的な数値や情報のチェックでしょう。今回の例でいえば、上の文に入る数値の正解は「20年」「40万円」なので、監修者はまずここにツッコむはず。これに関しては、ほとんどのFPが指摘できる間違いでしょう。

一方、後半部分はどうでしょうか。ここはどちらかというと筆者の感想にあたる部分で、事実関係の間違いはありません。しかし、次のように修正を求めてくる監修者は意外と多いです。

従来、資産運用の難易度に苦慮していた会社員でも、簡便に資産運用に挑戦できます。

これは上記の文章をやや堅苦しくしただけで、述べている内容はまったく変わりません。本来なら手を入れる必要のない文章ですが、監修者は手を入れたがる傾向にあるように感じます。

しかし、細かい文章表現にはメディアや編集者の考え方があるはずで、よほど質が低くなければ監修者の出る幕ではないと考えます。実際、上記の文章はつみたてNISA初心者のための文章なはずなのに、かなり読みにくくなってしまったのではないでしょうか。

こうなると、編集者は「読みづらくなったな……」と思いつつも監修者の顔を立ててOKするか、従来の文章で進めてもよいか監修者に交渉しなければなりません。発生する手間がバカにならないのです。

なおトージンFP事務所では、ライター・編集経験豊富な代表が、事実関係のみのチェックに特化した監修サービスをご提供しています。漢字や日本語の致命的な間違いなどを除き、初稿の執筆方針を尊重します。

FPの記事監修相場/費用

FPに記事監修を依頼する場合、費用はどれくらいかかるのでしょうか。

価格設定はFPによりますが、当事務所を含めて「1記事10000~30000円」というケースが多いように感じます。1万円を切るのは珍しく、費用対効果を考えるとあまり良い記事監修は受けられないかもしれません。

ちなみに、FPに記事を発注すると「1記事20000~50000円」くらいはかかるイメージがあります。記事監修を依頼したほうが安上がりですが、それほど大きな差がないのも事実です。

なお、FPの紹介・マッチングサービスもありますが、現状ではそれほど大きなサービスはなく、費用も高額になります。FPへの監修であれば、直接FPに依頼したほうが費用を抑えられるでしょう。

記事監修を依頼するFPの選び方

FPに記事監修を依頼するとして、世の中には数多くのFPがいます。そのなかから、どのようにFPを選べばよいのでしょうか。

ここでは、FP事務所代表の視点で「良いFPの選び方」を考えてみます。

選び方1. 資格で選

FP資格には、「FP1~3級」「CFP」「AFP」などさまざまなグレードやレベルがあります。このなかで一番評価が高いのは国際資格である「CFP」で、信頼性は抜群。しかし、難関資格ゆえに取得者が少ないのも現状です。

「AFP」は日本国内でのみ活用できる資格ですが、日本FP協会公認のFP資格であり、十分な実力を持っている証明でもあります。

「FP1~3級」については、1級はもちろん、2級でもある程度の知識があると考えて大丈夫です。ただし、3級は合格率が極めて高く、試験で問われる問題の難易度も低いため、依頼するFPは2級以上の資格保有者を選ぶようにしましょう。

選び方2. 若手を選ぶ

FPは、証券会社や保険会社で経験を積んだベテランが独立するパターンが目立ちます。経験豊富で信頼性があるのは確かですが、記事監修を依頼する場合は若手のFPを選ぶことをおすすめします。

なぜなら、ベテランFPの場合はWeb周りに弱い可能性があるから。メールでのやり取りは可能でも、最近のコンテンツ制作には欠かせないGoogleドキュメントやSlack、ZoomといったITツールを介しての依頼や作業が難しくなるかもしれません。

また、ベテランの場合は報酬が高めに設定されていることも多く、「手間はかかるのに報酬が高い」という事態に陥るリスクもあります。

ただし、相続や年金といった「老後」に関するテーマは、経験豊富なベテランの得意分野である可能性が高いです。読者も中高年が想定されるため、こうしたコンテンツを制作する際は若手よりもベテランのFPを選ぶべきでしょう。

選び方3. 実績で選ぶ

FPのなかには、自分のHPで実績を公開している人もいます。信頼性と過去の成果物を確認できるという点で、実績を公開しているFPを選ぶのはマストです。

そのうえで、なるべく実績が豊富なFPを選ぶようにしましょう。「大手企業」「大手メディア」での実績を確認できれば、信頼できるFPの可能性は高まります。

ただし、逆に大手で実績があるからといって、良いFPとは限りません。大手メディアは人材も豊富なので、FPが多少めちゃくちゃな監修をしても、編集者が頑張ってフォローしている可能性があるからです。

知識があるのは前提として、編集者にとって「仕事がしやすいFP」を選ぶためには、以下のようなポイントに目を光らせてみるとよいでしょう。

  • 同じクライアント、メディアと長期で仕事をしているか
  • ブログやHPの文章は読みやすいか
  • FPに関係ない分野でも執筆、監修実績があるか

メディア業界では、ネームバリューがあれば「地雷FP」でも大手メディアで仕事をすることは可能です。しかし、問題がある場合は継続依頼がなされないので、長期的に同じクライアントと関係を構築できているかは一つの指標になります。

ブログやHPには編集者の手が入らないので、そのFPの純粋な文章力や知識を図るには最適です。また、FP以外の分野での執筆、監修実績があれば、「FPの肩書、看板がなくても実力のある人」と判断することができます。

FPに記事監修を依頼する流れ

監修をお願いするFPを絞り込めたら、実際に記事監修を依頼し、記事を公開するフェーズに入ります。今回は、既存記事に監修者を入れるイメージで、実際の流れを解説します。

1. FPに連絡する

実際に絞り込んだFPに、監修依頼の連絡を送付します。この際、HPを公開しているFPの場合は「お問い合わせフォーム」から、そうでないFPの場合は電話などでコンタクトをとることになります。

連絡用の文面については、依頼時点で以下のような内容が盛り込まれていると、交渉がスムーズに進むでしょう。

  • 監修依頼記事のURL
  • スケジュール感、納期
  • 報酬

とくに、納期や報酬がカッチリ決まっている場合は、先に条件を出しておくことで交渉がスムーズになります。あまり厳格に決まっていない場合、FPがHPで料金表などを公開していればその条件に準じる、公開していない場合はおおまかな希望報酬を伝え、意向を聞いてみるのがよいでしょう。

2. 条件を調整する

FPから返信があれば、具体的に条件を詰めていきましょう。2営業日以内に返信が返ってくれば、レスポンスの早いFPといえそうです。

最初にメールで条件を伝えていた場合、FP側からは「OK」「NG」「条件の逆提案」という3つのアクションが考えられます。条件を逆提案された場合、社内リソースなどと照らし合わせて判断してください。

3. 正式に契約/発注する

条件面で合意できたら、正式な契約を結んでおきましょう。契約書をつくるかは会社やFPの方針次第ですが、トラブル防止のためには書面を交わすのが無難です。

契約が終われば、正式な発注を行うケースが一般的です。発注に際しても、余裕があれば発注書を制作しておくといいでしょう。

4. 監修記事を確認する

FPが監修を終えれば、監修済み記事が戻されてくるでしょう。この監修記事をしっかり確認するようにしてください。先ほども触れたように、監修後に記事がめちゃくちゃになっている可能性があるからです。

問題がある場合、FPに懸念点を伝え、理想の記事をつくるために交渉しましょう。「FPの先生に意見して、機嫌を損ねてしまったらどうしよう……」と感じられるかもしれませんが、編集者と監修者には協力して良い記事を制作する使命があります。

意見をぶつけることはなんの問題もないですし、真っ当な指摘に対して理不尽に怒られた場合、そのFPは監修者として失格です。

5. 監修者プロフィールを掲載する

メディアにもよりますが、監修を依頼した場合、「監修者:○○(氏名)」と監修者名がクレジットされ、アイコン写真と150字程度のかんたんなプロフィール文がセットで掲載されるケースが一般的です。

監修者名とプロフィールをしっかり掲載することで、読者やGoogleの検索エンジンに監修者の存在をアピールできます。監修を依頼した際は、必ず監修クレジットを掲載するようにしましょう。

監修者プロフィールと写真は、監修者にお願いして提供してもらうことが多いです。監修依頼時に、「監修者クレジットの掲載は可能か」を必ず確認するようにしてください。

6. 公開連絡をする

監修内容を反映し記事の公開準備ができたら、公開日や記事URLを監修者に知らせるのがマナーです。予告なく公開することもできますが、お互いのためにならないので避けたほうがいいでしょう。

監修者に公開連絡をした場合、監修者が自分のHPやSNSで記事を宣伝してくれる可能性があります。昨今、Googleは専門家からの被リンクを非常に重視しているので、SEOの面でも効果的です。

監修者が記事を宣伝してくれるかは相手次第ですが、可能なら「記事公開後、SNSやHPなどで宣伝していただけると嬉しいです」などの一文を添えると、監修者も応じてくれる可能性は高いでしょう。

記事監修はトージンFP事務所にお任せください

ここまで、FPの記事監修についてまとめてきました。

FPは弁護士や医師に比べると資格の取得難易度が低く、資格保有者数も多いです。しかし、人数が多いゆえに選択肢も多く、コンテンツ制作のパートナーとして最適なFPを探す難易度は高いです。

トージンFP事務所では、ライター・編集経験豊富な代表が、読者だけでなくクライアント様にも寄り添った記事監修をご提供します。事実関係のみのチェックに特化した監修を行うため、編集・コミュニケーションコストを抑えて記事監修を依頼することが可能です。

無料相談も承っていますので、まずお気軽にお問い合わせください。

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