こんにちは、トージンFP事務所代表の齊藤颯人です。
終身雇用の崩壊や社会保障の限界がささやかれる日本において、お金に関する悩みをもつ人は増えている印象があります。そのためお金に関するお役立ち記事やSNS投稿、動画制作といったコンテンツは需要が非常に多いです。
こうした環境から、金融系のサービスを展開する企業が、マーケティング施策の一環としてお金に関するコンテンツ制作を行うケースも目立ちます。
しかし、優良コンテンツであるがゆえに、マネー系のコンテンツは競争が激しい一面もあります。なんの工夫もなくコンテンツを制作しても、費用に見合う成果を上げられなくなってきているのです。
そこで本記事では、FPながらコンテンツ制作を本業に働く筆者が、成果の出るマネー金融記事/コンテンツ制作の方法を解説していきます。
マネー金融記事・コンテンツ制作とは?
マネー関係のコンテンツ制作と一言でいっても、さまざまな手段やジャンルでの発信が考えられます。ここでは、おおまなかコンテンツ制作の種類についてみていきましょう。
まず分類できる点は、どんな媒体でコンテンツを発信するかでしょう。主要な媒体としては、以下の選択肢が考えられます。
- 記事
- SNS投稿
- 動画
- メルマガ
- セミナー、講演
たとえば記事の形でマネー系コンテンツを制作する場合、長文で丁寧な解説ができる点が特徴。一方、読者に具体的な写真や図表を見せ、ビジュアル面で読者を強くひきつけるのは苦手分野なので、動画を活用するのがおすすめです。
上記のように、コンテンツ制作は媒体ごとに強みと弱みがハッキリしています。目的に合わせた媒体を選ぶことが大切です。
また、同じマネー系コンテンツといっても、もう少し細かなジャンルで分類できます。具体的には、「家計」「資産運用」「税金」などのジャンルです。
さらに、同じジャンル・媒体でも、想定するターゲット層によってコンテンツは大きく変わります。たとえば、本記事はFPへの記事監修・執筆依頼を検討されている法人のお客様を意識した構成になっていますが、想定読者を記事監修・制作を担当するFPライターに切り替えるだけで、全く違った記事になるでしょう。
マネー金融記事・コンテンツ制作によって得られる効果
マネー金融記事・コンテンツ制作によって得られる効果には、さまざまなものがあります。ここでは具体的な効果を見ていきましょう。
効果1. 広告料、アフィリエイト収入
GoogleやYouTubeなど、広告料が発生するプラットフォームでコンテンツを発信すれば、PVや視聴回数に応じた広告収入を得られます。個人ブロガーやYouTuberのなかには、こうした広告収入で生計を立てる人もいるほどで、重要な収入源です。
しかし、一方で企業レベルのコンテンツ制作の場合、人員や費用を考えると広告収入のみでは割に合わず、赤字が出るケースも多いのが実情。商品やサービスを宣伝し、紹介料を受け取るアフィリエイトと組み合わせても、制作費をペイするのは難易度が高めです。
効果2. 自社商品、サービスの宣伝・成約
法人の場合、コンテンツ制作はこちらの効果を重視するケースが多いです。オウンドメディアやSNSなどを軸に、コンテンツ制作を通じて自社サービスや商品の宣伝から問い合わせ、成約につなげることができます。
自社サービスの場合、広告料やアフィリエイトに比べれば収益性が高くなる傾向にあり、顧客獲得の面でも効果は絶大。さらに金融系のサービスは1回の成約で長期的な利益を確保できるケースも多く、合理的な施策といえるでしょう。
また、上記の広告・アフィリエイトと自社サービスの宣伝は、うまく組み合わせて展開することも可能。マネタイズポイントを複数確保できるため、収益面で安定が見込めます。
ちなみに、本記事は自社サービスの宣伝、成約をゴールに設定しており、広告料やアフィリエイト収入はほとんど見込んでいません(分野の都合上、PVを伸ばしづらくアフィリエイトとの組み合わせ効果もそれほど期待できないため)。
効果3. 自社そのものの認知拡大・信頼性向上
コンテンツ制作は、なにもコンテンツ制作単体で利益を出す必要はありません。赤字覚悟で高品質なコンテンツを制作し、自社のミッションや活動、理念などを伝え、自社を深く認知してもらう。そこから商品やサービスに親しみを持ってもらい、最終的な利益につながればよい、とも考えられます。
この手法はコンテンツ制作の膨大な赤字をカバーできる大企業に向いており、分かりやすい例でいえばトヨタのオウンドメディア『トヨタイムズ』などが該当するでしょう。
内部事情は分かりませんが、おそらくコンテンツ単体では黒字を出せていないはず。しかしトヨタという大企業なら赤字を抱えても問題なく、自社の強みを伝えつつ、世間の批判に反論できる空間をつくることを重視しているのでしょう。
成果の出るマネー金融記事・コンテンツ制作のポイント
マネー系の記事は、多くの効果が期待できることが分かりました。
しかし、冒頭でも触れたように、マネー系コンテンツの競争は激化しています。そんな市場において、成果が出るコンテンツを制作するためにはどうするべきなのでしょうか。
ここでは、コンテンツ制作のポイントをまとめてみました。
ポイント1. 制作するコンテンツをある程度統一する
先ほども触れたように、「マネー系コンテンツ」といってもその種類はさまざま。すべての分野に手を出すのは難しいので、ある程度分野を統一してコンテンツ制作を進めていきましょう。
たとえば、「仮想通貨」「不動産投資」「家計管理」などに特化させる「分野特化型」、「企業の経理向け」「副業ワーカー向け」「富裕層向け」などに特化させる「ターゲット特化型」などの形が考えられます。
制作するコンテンツの方向性をある程度そろえることで、「特定のジャンルに強いメディア」として認知され、狭く深い(=サービス利用者に近い)ユーザーを獲得できます。またGoogleやYouTubeなどの検索エンジンにも同じように認知され、検索順位の上昇もねらえます。
ただし、たとえば「仮想通貨で大もうけした岡山県のユーザー」のように、ターゲットを極端に絞りすぎるのも逆効果。適度に需要がありつつも、適度に専門性がある分野をリサーチする必要があるでしょう。
ポイント2. 競合・市場調査をしっかり行う
上記の分野・ターゲット設定にも重なる部分ですが、マネー系のジャンルは必ずと言っていいほど競合が発生します。そのため、具体的にどのメディアと競合することになるのか、市場は現在どのような状況なのか、といった調査は欠かせません。
調査をしてみると、意外と自分の印象と実態が異なるケースを見つけられるでしょう。筆者の本業はフリーランス・副業メディアの編集者なので、フリーランスや副業を例に紹介してみます。
意外かもしれませんが、フリーランスの人口はコロナ禍前まで減少の一途をたどっていました。コロナ禍で一時的にフリーランス人口は増加に転じましたが、私たちが思っているほどフリーランスの人口は伸びていません。
つまり、上記の例でいえば「フリーランスは最先端の働き方!」という思い込みだけでコンテンツを制作していたら、PVや視聴回数が伸び悩んだ可能性があるわけです。
こうした考え方は、コンテンツ全体の方向性を決める際だけでなく、個別のコンテンツ制作段階でも活かすことが可能です。
ポイント3. ターゲットのニーズを深掘りする
ねらいたいターゲットやKWがハッキリした後は、具体的に制作するコンテンツを設計する段階に入るでしょう。
しかし、この段階でよくありがちなミスとして、ターゲットのニーズを捉えきれないケースが多いです。今回も具体例とともに解説します。
たとえば、「資産運用 方法」というKWで上位表示をねらいたいとします。この場合、普通は「資産運用の方法を知りたいんだな……」と判断し、株式や債券、REITなどの代表的な資産運用方法を紹介したくなります。
ところが、実際にこのKWで上位表示されている記事を見てみると、ただ資産運用の方法を羅列しただけの記事はありません。実際は資産運用の初心者が活用できる制度や、資産運用に失敗しないためのコツなども同時に解説した記事が大半です。
つまり、「資産運用 方法」というKWで検索する読者は、ただ資産運用の方法を知りたいわけではなく、資産運用をお得に行う方法や、資産運用で失敗しないための方法も知りたがっていると分かるのです。
このように、ターゲットやKWの表面だけでは読み取れないニーズを深掘りしていくことが求められます。
ポイント4. “高品質”なコンテンツを制作する
いうまでもないことですが、作成するコンテンツは「高品質」であることが求められます。構成やデザイン、図表を洗練させることは当然です。
しかし、ただ単に「高品質」な記事を制作するだけではいけません。なぜなら、制作者にとって「高品質」なコンテンツと、ユーザーにとって「高品質」なコンテンツは全く違うからです。
たとえば、富裕層の高齢者に向けたコンテンツを制作したとします。制作者から見ても、第三者から見ても完成度の高いコンテンツが仕上がりましたが、一つ大きな問題がありました。皆さんは何が問題だったか想像できますか?
想定される問題の一つが、「文字の大きさ」です。基本的に高齢者の方は老眼を患いやすく、あまり小さい文字は読めません。しかし制作者が若者だと、老眼の現実に気づかず文字サイズを小さくしてしまう可能性があります。
このように、制作者にとっては「そんなに重要かな?」と思う工夫でも、ユーザーにとっては大きな影響があったりします。高品質なコンテンツを制作するうえでも、ターゲットの分析は欠かせません。
ポイント5. 専門家に執筆、監修を依頼する
マネー系コンテンツの競争を勝ち抜くために効果的とされているのが、FPや税理士などの専門家による執筆、監修です。
マネー系のコンテンツは、内容によってユーザーの人生が左右されることから、Googleは特に専門家の監修や発信を重視しています。そのため、どれだけいいコンテンツをつくったとしても、検索エンジンに評価されない可能性があるのです。実際、筆者が監修を担当したメディアでも、監修を入れたとたんに検索順位が急上昇した例もありました。
また、専門家の協力は、検索順位の上昇以外にも効果を発揮します。専門家によるファクトチェックを通じて内容の誤りを防ぎ、信頼できる情報を発信する企業として信頼性を高めることにもつながるでしょう。
マネー金融記事・コンテンツ制作の注意点
マネー金融記事・コンテンツは非常に効果的ですが、発信の仕方を間違えるとコンテンツが炎上したり、企業のブランドに大きな傷がついたりする可能性もあります。
ここでは、マネー金融記事・コンテンツ制作の注意点をまとめておきます。
注意点1. 事実誤認に気を付ける
お金に関する法律や制度は複雑化しやすく、コンテンツに誤った内容が掲載されるケースは多いです。とくに、金融系の専門家ではないライターが執筆した記事に目立つ傾向があります。
こうしたミスを防ぐには、やはり専門家による監修が必要です。ただし、お金に関する法律や制度は改正も多く、「昨日の正解が今日の不正解」というケースもあります。
コンテンツは制作して終わりではなく、更新していくことも必要。リライトやコメント機能を使った訂正などを行い、内容を最新の状態に保ちましょう。
注意点2. 各種法令を守る
コンテンツ制作にあたっては、さまざまな法令を遵守することが大切です。法令に違反したコンテンツは処罰や過料の可能性があるだけでなく、企業イメージを考えるうえでもイメージ悪化に直結します。
ただし、マネー系コンテンツの場合、一見するとコンテンツ制作には関係なさそうな法律に抵触するリスクがあるため、より慎重な調査が必要です。
たとえば、金融関係の法律である「金融商品取引法」では、金融関係の広告に関する厳しい規制が設けられています。コンテンツ制作と広告の境界はあいまいで、PR記事やタイアップ動画のようなコンテンツは、広告そのものといえます。
つまり、マネー系コンテンツの場合は金融商品取引法や景品表示法、個人情報保護法といった法令の遵守にいっそう注意しなければいけません。
注意点3. グレーな手法・分野を意識する
コンテンツ制作にあたっては、法令を守るだけで炎上やブランド毀損のリスクを回避できるとは限りません。現状の法律ではただちに違法とはいえないまでも、社会的なモラルに抵触しそうな手法・分野には注意しましょう。
上記の代表例が、いわゆる「ステルスマーケティング(ステマ)」です。じつは、現状ではステマが法的には規制されておらず、あくまで違法ではありません。しかし世論はステマに厳しく、発覚すれば大きな騒動になるリスクがあるでしょう。
筆者の所感では、Web記事はかなりステマ案件が減っているものの、InstagramやTikTokのマネー系コンテンツはステマが横行している印象を受けます。
ただちに違法とはいえない以上、ステマも一種のマーケティング戦略であることを否定はできません。しかしステマ発覚のリスクを考えれば、合理的に考えてステマは避けたほうが無難でしょう。
マネー金融記事・コンテンツ制作はトージンFP事務所にお任せください
ここまで、成果の出るマネー金融記事・コンテンツ制作について解説してきました。
内容からもご理解いただけるように、成果の出るマネー金融記事・コンテンツ制作を行うためには、「金融の知識」と「コンテンツ制作の知識」がどちらも欠かせません。
トージンFP事務所は、FPながら本業でコンテンツ制作のプロとして活動している筆者が、お客様のマネー金融記事・コンテンツ制作をサポートします。正確な金融知識と経験を活かしたコンテンツ制作スキルによって、数多くのコンテンツの検索順位の上昇やブランディングに貢献してきました。
マネー金融記事・コンテンツ制作をお考えのお客様は、ぜひ一度ご相談ください。